旅程の作り方

旅のしおりの作り方。何を書いて、何を書かないか

旅のしおりは、全部の時間を埋めたものではありません。書く順番と、書かないものを決めるだけで、当日に開いてもらえるしおりになります。作り方を手順に沿ってまとめました。

公開 2026.10.02約9分で読めます

旅行の幹事になると、だいたい最初に「しおりでも作るか」となります。ところが作りはじめると手が止まります。何を書けばいいのか、どこまで細かく書けばいいのかが分からないからです。

そして時間をかけて作ったしおりが、当日ほとんど開かれないこともあります。理由ははっきりしていて、書きすぎているか、いちばん必要なことが埋もれているかのどちらかです。

この記事では、旅のしおりの作り方を決める順番どおりに解説します。何を書いて、何を書かないか。時間をどう書き分けるか。どの道具で作るか。印刷とサイズまで、最後まで通しで書いています。

旅のしおりとは。旅程表との違い

はじめに言葉を整理しておきます。似た言葉が混ざると、作るものがぶれます。

旅のしおり 旅程表
中身 旅程+持ち物・メモ・連絡先など 日程と行き先の一覧
目的 旅そのものを楽しむ 段取りの共有
形 冊子・ページ形式が多い 表・箇条書きが多い
場面 友人旅行、修学旅行、家族旅行 出張、ビザ申請、家族への連絡

**しおりは旅程を含みます。**逆は成り立ちません。だから「しおりを作る」と言ったときは、中に時間と行き先が入っている前提になります。言葉の使い分けは旅程・行程・日程の違いに詳しく書きました。

しおりがあると何が変わるか

同じ旅行でも、しおりがあると変わるのは次の3つです。

  • 同じことを何度も聞かれなくなる。 集合は何時、宿はどこ、明日は何時起き。全部そこに書いてあります
  • はぐれたときに合流できる。 次の集合場所と幹事の番号が手元にあるだけで、かなり違います
  • 幹事が抱え込まなくて済む。 情報が幹事の頭の中にしかないと、幹事が動けなくなります

逆に言うと、この3つに効かないものは書かなくていいということでもあります。

手順1|書く前に「誰が読むか」を決める

いちばん効くのがここです。読む人が決まると、書く量が決まります。

読む人 いちばん要るもの 減らしていいもの
友人(大人) 集合・宿・帰りの時刻 細かい分刻みの予定
家族(子ども連れ) トイレと休憩の位置 観光地の由来
高齢の家族 歩く距離、椅子のある場所 自由行動の細かい選択肢
会社の人 会費、宴会の時刻、部屋割り 個人の好みの店
学校の班 集合時刻と点呼 大人向けの注意書き

全員に同じものを配る前提で、いちばん困る人に合わせます。 大人だけなら1枚で足りますし、子ども連れなら休憩を書き足す必要があります。

人数で形が変わる

  • 2〜4人 … 1枚もので十分。LINEに画像で送っても読めます
  • 5〜10人 … 紙で配ったほうが確実。全員がスマホを見るとは限りません
  • 10人以上 … はぐれる前提で、小さい控えを1人1枚。集合と連絡先だけ大きく

作り方の手順2|骨組みから決める。時間は後まわし

作りはじめるとき、いきなり「9:00 集合」と書き出すと必ず行き詰まります。動かせないものから置いていくと早く決まります。

置く順番はこうです。

  1. 帰りの1本(新幹線・飛行機・最終バス)。ここが動かせません
  2. 行きの1本
  3. 宿のチェックイン・チェックアウト
  4. 予約した食事や体験
  5. あいだの自由な予定

上から4つまでが埋まると、空いている時間がどれだけあるかが見えます。 そこに行きたい場所を入れていけば、詰め込みすぎになりません。

逆から作ると、「行きたい場所を全部入れたら帰れない」という形になります。よくあるのは、最終日に予定を入れすぎて、お土産も買えずに駅へ走る流れです。

移動時間は測って、上乗せする

地図アプリが出す時間は「移動そのもの」の時間です。駅で迷う、切符を買う、荷物を持ち替える時間は入っていません。1区間あたり10分から15分を足します。

測り方はGoogleマップで旅行プランを作る手順にまとめています。

手順3|時間を3段階で書き分ける

しおりが当日ぐちゃぐちゃになる原因の、いちばん大きいものがこれです。

新幹線の発車時刻と、カフェに入る時刻を、同じ書き方で並べてはいけません。 読んだ人はどちらも守ろうとして、1つ遅れただけで全部が崩れた気分になります。

書き分けは3段階で足ります。

段階 書き方 例
絶対に間に合わせる 9:24 発(厳守) 新幹線、開演時刻、チェックアウト
その時刻までに 17:00までに 宿のチェックイン、集合
だいたい 12時ごろ 食事、散策、買い物

これだけで、当日の余裕がまったく違ってきます。「12時ごろ 昼食」と書いてあれば、12時40分になっても誰も焦りません。

「あそび時間」を1日1つ入れる

予定と予定のあいだに、何も入れない30分から1時間を置きます。使わなければ休憩になりますし、どこかで遅れたらここで吸収されます。

この1つがあるかないかで、3日目の疲れ方が変わります。

手順4|何を書いて、何を書かないか

書く項目は、だいたいこれで足ります。

書くもの

  • 旅行名と日付
  • 集合場所と集合時刻(いちばん大きく)
  • 日ごとの予定(時刻・行き先・移動)
  • 宿の名前と電話番号
  • 幹事の名前と電話番号
  • 帰りの時刻
  • 持ち物(宿にあるものは書かない)
  • 会費や集金の予定(あれば)

書かないもの

  • 営業時間と定休日。 よく変わります。しおりに書くと、間違ったまま全員が持ち歩くことになります
  • 料金。 同じ理由です。予算の目安だけ別に置きます
  • 観光地の詳しい由来。 現地で読めます。しおりの紙面を食うわりに読まれません
  • 分刻みの予定。 守れないものを書くと、しおり全体が信用されなくなります

迷ったら「当日それを見て動くか」で決めます。 動かないものは、書かなくて構いません。

手順5|どの道具で作るか

作る道具は4つあります。速さと共有のしやすさで選びます。

道具 向いている場面 弱いところ
手書き(テンプレを印刷) 少人数、紙で配りたい 直すと書き直し
Excel・スプレッドシート 表を作り込みたい スマホで横に切れる
Word・Canva 見た目を作り込みたい 時間がかかる
旅程アプリ 複数人で共有する サービスごとに癖がある

いちばん速いのは、A4の用紙を刷って手で書くやり方です。旅程さんでは、項目名を刷り込んだ用紙をExcelとPDFで配っています。刷ってそのまま書き込めます。

見た目を作り込みたいならCanvaで旅のしおりを作る、表で管理したいならエクセルで旅のしおりを作るやスプレッドシートで旅程表を作るを見てください。

当日に予定が動きそうなときや、人数が多いときは、紙より画面のほうが確実です。旅程さんは登録なしでしおりを作れて、できたURLを送るだけで相手はそのまま開けます。

手順6|印刷して配る

刷るときに気をつけることが3つあります。

  • 「実際のサイズ」で印刷する。 「用紙に合わせる」にすると余白が変わって、行が1枚に収まらないことがあります
  • 人数ぶん+2枚刷る。 必ず1枚はなくなります
  • 白黒でも読めるか見る。 色で区別していると、コンビニの白黒コピーで潰れます

サイズの選び方は旅のしおりのサイズ、折り方はA4二つ折りと三つ折りにまとめています。コンビニで刷る手順はコンビニで旅のしおりを印刷するにあります。

配るのは出発の3日前

当日に配ると、読む時間がありません。3日前に配ると、持ち物を用意する時間が残ります。

紙を配るのが難しければ、画像かPDFにしてグループに流しておいて、当日ぶんだけ紙で持つ形でも構いません。

まとめ

  • しおりは旅程を含む。まず「誰が読むか」を決めると、書く量が決まる
  • 骨組みは動かせないものから置く。帰りの1本 → 行き → 宿 → 予約
  • 移動時間は測って、1区間10分から15分を足す
  • 時間は3段階で書き分ける(厳守/◯時までに/だいたい)
  • **営業時間・料金・由来は書かない。**変わるものと、当日使わないもの
  • 刷るときは「実際のサイズ」。配るのは3日前

作り方が決まっていれば、しおりは30分で形になります。いちばん時間がかかるのは、何を書くか迷っている時間です。

よくある質問

Q. しおりは何ページくらいが適切ですか。

1泊2日なら1枚、2泊3日でも2枚あれば足ります。**ページを増やすほど読まれなくなります。**冊子にしたいときは、A4を二つ折りにすると4面とれます。

Q. 全部の時間を書いたほうが親切ではないですか。

逆になりやすいです。分刻みで書くと、1つ遅れた時点で以降が全部ずれて、誰もしおりを見なくなります。守る時間だけ書いて、あとは「◯時ごろ」で置くほうが最後まで使われます。

Q. 子ども連れの場合、何を足せばいいですか。

トイレの場所、休憩を入れる時間、雨のときの代わりの行き先。この3つがあると当日の判断が早くなります。逆に、大人向けの細かい注意書きは減らして構いません。

Q. 手書きとアプリ、どちらがいいですか。

**人数と、予定が動くかで決まります。**少人数で予定が固まっているなら手書きが速い。人数が多い、または直前まで動くならアプリのほうが配り直さずに済みます。

Q. しおりを作る時間がありません。

項目名が刷り込まれた用紙を使うと、埋めるだけになります。集合・宿・帰りの時刻の3つだけ書いて配っても、書かないよりずっと役に立ちます。