旅程の作り方

スプレッドシートで旅程表|列と共有の設定

スプレッドシートは、複数人で同時に直せて、移動時間の合計も自動で出せます。ただしスマホで見ると横に切れます。列の決め方と、その対処をまとめました。

公開 2026.09.12約7分で読めます

旅程表をスプレッドシートで作る利点は、はっきりしています。複数人で同時に直せて、合計が自動で出て、URLを送るだけで共有できます。

一方で弱点も、はっきりしています。スマホで開くと横に切れます。 そして当日いちばん見るのはスマホです。

この記事では、Googleスプレッドシートで旅程表を作る手順と、スマホで見るときの対処までまとめます。Excelでも同じ考え方で作れます。

旅程表に入れる列を先に決める

列を後から足すと、式と条件付き書式が全部ずれます。最初に決めてしまいます。

列 幅 中身
A 時刻 狭い 9:24 17:00までに 12時ごろ
B 予定 広い 行き先・すること
C 滞在(分) 狭い 数字だけ
D 移動(分) 狭い 数字だけ
E 予約 狭い 済/要/不要
F メモ 広い 予約番号、注意

**6列が上限です。**それ以上にすると、パソコンでも横に伸びて読みにくくなります。

時刻は文字列にする

ここが最初のつまずきです。9:24 と入力すると、スプレッドシートが時刻として解釈して、書式によっては 9:24:00 になったり、計算対象になったりします。

「17:00までに」「12時ごろ」のような書き方を混ぜたいので、A列は書式を「書式なしテキスト」にします。

  • A列を選択 → 「表示形式」→「数値」→「書式なしテキスト」

これで、どんな書き方でもそのまま表示されます。

滞在と移動は分だけの数字にする

「1時間30分」と書くと足せません。90 と書きます。 表示が味気なくなりますが、合計が出せることのほうが大事です。

日ごとに区切る

1行まるごと使って、日付の帯を入れます。

  1. 区切りたい行を選ぶ → 右クリック →「1行上に挿入」
  2. A列に「1日目 10/10(土)」と書く
  3. A列からF列まで選んで「セルを結合」
  4. 背景色を薄く付ける

**背景色は薄い色にしてください。**濃い色にすると、印刷したときに文字が読めなくなります。

帯があると、スクロールしていて「いま何日目か」が分かります。これがないと、長い表で迷子になります。

移動時間の合計を出す

スプレッドシートを使う最大の理由がこれです。詰め込みすぎを数字で気づけます。

日ごとの帯の行、たとえばD列に次の式を入れます。

=SUM(D3:D12)

D3:D12 はその日の行の範囲です。これで、その日の移動時間の合計が出ます。

3分の1を超えたら減らす合図

その日に動ける時間の3分の1を超えたら、行き先を1つ減らします。

9時間動ける日なら、移動3時間(180分)が上限です。それ以上は、着いて写真を撮って次へ向かうだけの日になります。

式で自動判定するなら、条件付き書式を使います。

  1. 合計のセルを選ぶ → 「表示形式」→「条件付き書式」
  2. 「次より大きい」→ 180
  3. 背景を薄い赤に

**数字を見ただけでは気づきません。**色が付くと気づきます。

滞在時間の合計も同じように出せます。移動と滞在を足して、その日の活動時間を超えていないかを見ると、無理な計画が先に分かります。

スマホで見るときの対処

ここがスプレッドシートのいちばんの弱点です。6列あると、スマホでは3列くらいしか見えません。

対処は3つあります。

1. 1列目を固定する

「表示」→「固定」→「1列」。横にスクロールしても時刻が残るので、どの行を見ているか分かります。最低限これはやってください。

2. 当日用の列だけのシートを別に作る

時刻・予定・メモの3列だけのシートを作って、当日はそちらを見ます。作るときの詳しいシートとは分けます。

3. 印刷して紙で持つ

結局これがいちばん確実な場面もあります。印刷の設定は下に書きます。

データベースで管理したいならNotionで旅程表を作るという手もあります。

そもそもスマホで見るのが前提なら、スプレッドシートではない道具のほうが向いています。 旅程さんは登録なしで旅程を作れて、スマホで開く前提の画面になっています。URLを送るだけで相手はそのまま開けます。

共有の設定

右上の「共有」からリンクを作ります。権限の選び方で事故が変わります。

権限 向いている場面 起きること
閲覧者 人数が多い 直せないので幹事に連絡が来る
コメント可 5〜10人 提案が残る。反映は幹事
編集者 2〜4人 早いが、消されても気づかない

**人数が多いほど、権限は絞ります。**10人が編集できる状態にすると、誰かが誤って行を消したときに気づけません。

編集者にする場合は、「変更履歴」で戻せることを覚えておいてください(ファイル → 変更履歴 → 変更履歴を表示)。

印刷する

「ファイル」→「印刷」から設定します。

  • 用紙サイズ A4、向きは列が多ければ横
  • 「ページに合わせる」→「幅に合わせる」(「ページに合わせる」だと縮みすぎます)
  • 余白はカスタムで上下左右10mm
  • 「ヘッダーとフッター」のページ番号は外す(1枚なら不要)
  • グリッド線は表示(罫線がないと読みにくい)

印刷して配るのが主目的なら、はじめから印刷用の用紙を使うほうが速いです。 旅程さんでは、1泊2日・2泊3日・日帰りの旅程表をExcelとPDFで配っています。列も行数も、A4に1枚で収まるように決めてあります。

Excelとの違い

ほとんど同じですが、3つだけ違います。

  • 共同編集 … スプレッドシートのほうが簡単。Excelはブラウザ版かOneDrive経由が要る
  • スマホでの閲覧 … どちらも横に切れる。差はない
  • 印刷の設定 … Excelのほうが細かく指定できる

複数人で作るならスプレッドシート、印刷が前提ならエクセル、くらいの使い分けで足ります。エクセルでの作り方はエクセルで旅のしおりを作るに書きました。

まとめ

  • 列は**先に6つまでで決める。**あとから足すと式がずれる
  • A列(時刻)は**「書式なしテキスト」。**時刻として解釈させない
  • 滞在・移動は分の数字だけで入れる。文字を混ぜると足せない
  • 日ごとに帯の行を入れる。背景色は薄く
  • =SUM() で移動の合計を出し、180分を超えたら色を付ける
  • スマホ対策は**1列目を固定。**それでも切れるなら当日用シートか紙
  • 共有の権限は人数が多いほど絞る

スプレッドシートは「作る」ときに強く、「当日見る」ときに弱い道具です。作るのはスプレッドシート、当日は紙か画面という分け方をすると、両方の弱点が消えます。

よくある質問

Q. Excelとスプレッドシート、どちらがいいですか。

複数人で作るならスプレッドシート、1人で作って印刷するならExcelです。共同編集の手軽さがいちばん大きな差です。

Q. 移動時間はどうやって調べますか。

地図アプリで区間ごとに測って、1区間あたり10分から15分を足します。 表示は移動そのものの時間で、駅で迷う時間は入っていません。測り方はGoogleマップで旅行プランを作る手順にまとめました。

Q. テンプレートはありますか。

Googleスプレッドシートのテンプレートギャラリーにも旅行系があります。ただし列が英語だったり、日本の旅行で使わない項目が入っていたりします。列を自分で決めたほうが結局早いことが多いです。

Q. 同行者がGoogleアカウントを持っていません。

「リンクを知っている全員」にすれば、アカウントなしで閲覧できます。編集してもらうにはアカウントが必要です。

Q. 当日オフラインでも見られますか。

Googleスプレッドシートのアプリで「オフラインで使用可能にする」を事前にオンにしておけば見られます。ただし**忘れると現地で開けません。**電波が不安な場所へ行くなら、印刷して持つのが確実です。