海外旅行の旅程の組み方|時差と移動の余白
海外の旅程が崩れるのは、だいたい初日と最終日です。時差、入国審査、慣れない移動。国内と同じ感覚で組むと必ず足りません。差が出るところに絞ってまとめました。
海外旅行の旅程は、国内と同じ感覚で組むと必ずどこかで足りなくなります。崩れるのはたいてい初日と最終日です。
理由ははっきりしています。空港での時間、時差、慣れない移動。この3つが、国内では存在しないか、あっても小さいものだからです。
この記事では、海外旅行の旅程の組み方を、国内との差が出るところに絞ってまとめます。基本の組み立て方は旅程表の作り方と共通なので、そちらもあわせて読んでください。
組み方の基本|現地時間で書いて、日本時間を括弧で添える

最初に決めるのがこれです。どちらか一方に統一しようとすると、必ず混乱します。
- 旅程の本体は現地時間で書く。 当日その土地で動くので、現地時間が主です
- 日本時間は括弧で添える。 家族への連絡、日本の窓口への電話、日本発着の便に使います
9:20(日本 10:20) 桃園空港 着
時差の計算を当日やらないのがいちばんの目的です。 疲れているときに暗算すると間違えます。
時差はしおりの上部に1行書く
「台北:日本より1時間おそい」のように、符号ではなく言葉で書きます。「−1時間」と書くと、どちらに動かすのか一瞬迷います。
サマータイムがある国は、旅行の時期に実施中かどうかを確認してください。同じ国でも季節で1時間変わります。
組み方の要|初日と最終日は、予定を入れない

いちばん効く一手です。
到着日に入れないもの
- 予約が必要な食事
- 入場時刻が決まっている施設
- 遠出
到着してから動けるまでに、思っているより時間がかかります。
| 工程 | 見ておく時間 |
|---|---|
| 着陸から入国審査を抜けるまで | 45〜90分 |
| 荷物受け取り | 15〜30分 |
| SIM・両替・交通カード | 20〜40分 |
| 空港から市内 | 30〜90分 |
合わせて2時間から4時間です。午前着でも、動き出せるのは午後になります。
到着日に入れていいのは、チェックインと、宿の近くで食事くらいです。
出発日に入れないもの
国際線は出発の2〜3時間前には空港にいる必要があります。市内から空港まで1時間かかるなら、出発の4時間前には宿を出ます。
14:30発の便なら、10:30には宿を出る計算です。**午前は実質使えません。**お土産は前日までに買っておきます。
実質何日動けるか
3泊5日(機中1泊)の旅行なら、まるまる動けるのは2日です。ここを数えてから行き先を決めると、詰め込みすぎになりません。
移動時間は、国内より多めに足す
国内では1区間あたり10〜15分を足しますが、海外ではさらに増やします。
- 言葉が分からない … 券売機、乗り場、表示の確認に時間がかかります
- 乗り換えが分かりにくい … 駅の構造が違います
- 交通が時間どおりに来ないことがある … 国によります
1区間あたり20〜30分を足すつもりでいると、初日で慌てません。慣れてきた3日目からは減らしてかまいません。
地図アプリの測り方はGoogleマップで旅行プランを作る手順にまとめています。
予約とキャンセル期限を1枚にまとめる
海外は予約が多くなります。航空券、宿、送迎、体験、レストラン、入場券。
予約したその場で、1枚にまとめて書き写します。
| 書く項目 | なぜ |
|---|---|
| 予約番号 | 当日メールを探すのがいちばん時間を溶かす |
| 利用日と時刻 | 現地時間で |
| 予約した人 | 複数人で分担したとき |
| キャンセル無料の期限 | ここを過ぎると変更できない |
| 連絡先 | 現地の番号(国番号つき) |
キャンセル無料の期限がいちばん見落とされます。 「あとで決めよう」と思っているうちに期限が過ぎて、変更できなくなります。予約の一覧は、旅程さんでも用紙を配っています。
控えは「本体と別に持つ」

紛失・盗難に備える部分です。国内では要りませんが、海外では要ります。
控えに書くもの
- パスポート番号と有効期限
- 航空券の便名と予約番号
- 海外旅行保険の証券番号と事故受付の電話(日本の番号、国番号つき)
- 日本大使館・領事館の連絡先
- クレジットカードの紛失窓口
- 宿の住所(現地の言語でも)
持ち方
パスポートと同じ場所に入れないでください。 かばんごと取られたときに、両方なくします。
- 紙の控えを1枚、別のかばんに
- 写真を撮ってスマホにも(ただしスマホもなくす可能性があります)
- 同行者にも1枚渡す
宿の住所を現地の言語でも書いておくと、タクシーで見せられます。これは実際によく効きます。
パスポートの残存有効期間
行き先によって、入国時に3か月から6か月の残りが必要な国があります。期限内でも、残りが足りないと搭乗を断られることがあります。
条件は国ごとに違い、変わることもあるので、外務省の海外安全ホームページか、渡航先の大使館の案内で確認してください。
現金とカードの配分を旅程に書く
国によって事情が違うので、旅程に1行書いておくと迷いません。
- 「夜市は現金のみ。初日に5,000円ぶん両替」
- 「交通カードは空港で買う」
- 「チップは食事代の10%」
どこで両替するかを決めておくのがポイントです。空港・市内・ATM のどれが有利かは国によって違います。決めずに行くと、レートの悪いところで慌てて替えることになります。
まとめ
- 時差は**現地時間で書いて、日本時間を括弧で。**符号ではなく言葉で書く
- **到着日と出発日には予定を入れない。**空港だけで2〜4時間かかる
- 3泊5日でも、まるまる動けるのは2日
- 移動は1区間20〜30分を足す。国内より多めに
- 予約はその場で1枚に書き写す。キャンセル無料の期限を必ず
- 控えは**本体と別に持つ。**宿の住所は現地の言語でも
- 現金と両替の予定を旅程に1行書く
海外の旅程は、国内より「余白」がそのまま安全になります。詰めないほうが結果的に多く回れます。
旅程さんでは、海外旅行用のしおりをExcelとPDFで配っています。現地時間と日本時間を並べて書く欄と、控え・連絡先の面が入っています。
よくある質問
Q. 何日前から旅程を組みはじめればいいですか。
航空券と宿は2〜3か月前、体験や人気店の予約は1か月前、細かい旅程は2週間前が目安です。細かい旅程を早く作りすぎると、営業時間や交通が変わっていることがあります。
Q. 現地の交通は事前に調べられますか。
Googleマップは国によって精度が大きく違います。東アジアや欧米の都市は比較的正確ですが、そうでない地域では現地の交通アプリのほうが当てになります。行き先ごとに調べてください。
Q. 旅程表は入国審査で見せる必要がありますか。
国によっては、滞在先や帰りの便を聞かれることがあります。印刷した旅程(travel itinerary)を1枚持っていると説明が早いです。要否は渡航先の案内で確認してください。
Q. 時差ぼけを旅程に織り込めますか。
東へ飛ぶほど(日本からアメリカ方面)つらくなります。到着翌日の午前は軽めにしておくと、体が合わせやすくなります。
Q. 現地で予定を変えたくなったらどうしますか。
紙だけだと直せません。**画面でも共有しておくと、その場で直したものが全員に届きます。**旅程さんは登録なしで作れて、URLを送るだけで相手はそのまま開けます。電波が不安な場所では紙も持って、両方あると安心です。