ChatGPTで旅程を作る|使えるプロンプト
ChatGPTは旅程のたたき台を作るのが速い一方、そのまま持って出ると当日に困ります。どこまで任せて、どこを自分で直すのか。コピーして使えるプロンプトと、出てきた案の検算手順をまとめました。
行き先だけ決まっていて、そこから先が進まない。そういうときにChatGPTへ投げると、10秒ほどで1日の流れが返ってきます。ゼロから書き出すより圧倒的に速く、これは素直に使ったほうがいい道具です。
一方で、返ってきた案をそのまま印刷して持って出ると、当日にいくつか困ります。閉まっている店に着く、移動時間が足りない、予約が要る場所に予約なしで向かう。これはAIの性能の問題ではなく、AIが持っていない情報があるからです。
この記事では、ChatGPTに旅程を作らせるプロンプトと、出てきた案を実際に使える形へ直す手順をまとめます。コピーしてそのまま使える形で書いています。
ChatGPTが得意なこと、苦手なこと

先に切り分けておくと、あとの作業が短くなります。
| 得意 | 苦手 | |
|---|---|---|
| 行き先の候補出し | とても得意 | - |
| 定番の回り方 | 得意 | - |
| 文章にまとめる | 得意 | - |
| 営業時間・定休日 | - | 苦手(古い情報を出す) |
| 料金・運賃 | - | 苦手(同上) |
| 移動時間 | - | 苦手(実測していない) |
| 予約の要否 | - | 苦手 |
| 直近の休館・工事 | - | 分からない |
分担の切り方
つまり、「どこへ行くか」はAIに任せて、「いつ・いくらで・何分で」は自分で当たるのが現実的な分担です。逆にしようとすると、確認の手間が増えて結局ゼロから作るのと変わりません。
この前提を置いてからプロンプトを書くと、返ってくる内容がだいぶ変わります。
使えるプロンプト(コピーして使えます)

条件を並べるだけの指示だと、ガイドブックの目次のような回答が返ってきます。出力の形まで指定すると、あとで移すのが楽になります。
あなたは旅行の段取りに詳しい人です。次の条件で旅程のたたき台を作ってください。
【条件】
・行き先:金沢
・日程:2泊3日(初日は14時着、最終日は16時発)
・人数:大人2人
・移動手段:現地は電車とバスと徒歩
・優先したいこと:庭園と美術館。食事は1日1回だけ良い店に入りたい
・避けたいこと:1日に4か所以上まわること
【出力の形】
・1日ごとに、時刻・場所・滞在の目安(分)・移動手段・移動の目安(分)を表で
・「絶対に間に合わせる予定」と「だいたいで良い予定」を分けて印をつける
・予約が必要そうな場所には「要確認」と書く
・営業時間と料金は書かないでください(自分で公式を見ます)
【注意】
・詰め込まないでください。1日の移動合計が3時間を超えないように
・情報が古い可能性がある項目は、その旨を明記してください
効いているのは後半の3つ
ここで効いているのは後半の3つです。
- 出力の形を表で指定する。 そのまま旅程表に移せます
- 営業時間と料金を書かせない。 一番よく間違えるところなので、最初から書かせないほうが安全です。書かれていると、つい信じてしまいます
- 移動の上限を数字で渡す。 「詰め込まないで」だけでは伝わりません。数字にすると守られます
行き先が決まっていない段階なら、条件の行き先を「北陸で、混みすぎていないところ」のように書いて候補から出させることもできます。
出てきた案を検算する4つ

返ってきた表を、上から順に4か所だけ当たります。ここを飛ばすと、AIを使った意味が当日に消えます。
1. 営業時間と定休日を公式で見る
AIの学習データは常に過去のもので、しかも「よく変わる情報」ほど当てになりません。月曜定休、冬季休館、last orderの時刻。行き先の数だけ公式サイトを開きます。 ここだけは短縮できません。
同時に、直近の臨時休館や工事も見ておきます。庭園の一部が工事中、美術館が展示替えで休み、はよくあります。
2. 移動時間を地図で測り直す
AIが書いた「徒歩15分」は、実測ではありません。地図アプリで区間ごとに測り直して、1区間あたり10分から15分を足します。 駅で迷う時間、切符を買う時間、荷物を持ち替える時間が表示に入っていないためです。
測り方はGoogleマップで旅行プランを作る手順にまとめています。
3. 予約が要るものを洗い出す
「要確認」と書かせた場所を、上から予約サイトで見ます。加えて、AIが印をつけていなくても予約が要りやすいのは次のあたりです。
- 人気店の食事(とくに夜)
- 体験もの(工房、クルーズ、ガイドツアー)
- 特急や高速バスの指定席
- 混雑期の美術館・展示
予約したら、予約番号をその場で旅程に書き写します。 あとでメールを探すことになるのが、当日いちばん時間を溶かします。
4. 1日の移動合計を足す
表の移動時間をその日ぶん足して、活動時間の3分の1に収まっているか見ます。9時間動ける日なら、移動3時間が上限です。
超えていたら、行き先を1つ減らします。AIは「減らして」と言わない限り減らしません。 条件に書いた上限を守っているように見えても、足し算すると超えていることがよくあります。
検算したものを、どこに置くか

ChatGPTの画面に置いたままにしないほうがいい理由が3つあります。
- 同行者に見せられない。 会話ごとリンク共有はできますが、相手には自分の質問も全部見えます
- 当日に開きにくい。 過去の会話を探して、下までスクロールすることになります
- 直したものが残らない。 検算して直した内容は、会話を続けるほど上に流れていきます
移し先の選び方

移し先の選び方は、共有する相手がいるかどうかで変わります。
| 置き場所 | 向いている場面 | 弱いところ |
|---|---|---|
| メモアプリ | 1人旅 | 共有すると各自が別々に直す |
| スプレッドシート | 表を作り込みたい | スマホで横に切れる |
| 印刷して紙 | 電波の弱い場所 | 直せない |
| 旅程アプリ | 複数人で行く | サービスごとに書き方の癖がある |
旅程さんは4つ目です。ChatGPTが出した表を貼り付けて、時間の性格(厳守・だいたい)と予約番号を足すだけで形になります。登録は要らず、できたURLを送れば相手はそのまま開けます。紙に刷りたいときは印刷用の表示もあります。
「AIに作らせて、人が直して、全員で見る」という流れのうち、最後のひとつだけが抜けやすいので、そこを埋める使い方になります。
AIに任せないほうがいいこと

最後に、任せると事故になりやすいものを挙げておきます。
- 同行者の体力と好み。 AIは平均的な旅程を出します。子ども連れ、高齢の家族、歩くのが苦手な人がいる場合、その条件は自分で足す必要があります
- 「行かない」という判断。 AIは候補を足す方向に働きます。減らすのは人の仕事です
- その日の天気に合わせた入れ替え。 前日の判断なので、作った旅程のどこを削るかは自分で決めておきます
- お金の上限。 料金を書かせない前提にしているので、予算の管理は別で持ちます
「減らす」だけは人がやる
このうち2つ目が一番効きます。旅程が崩れる原因のほとんどは、多すぎることです。 AIが4か所出してきたら、1つ消すところから始めるくらいでちょうど良くなります。
まとめ

- AIは**「どこへ行くか」に強く、「いつ・いくら・何分」に弱い**。そこで分担を切る
- プロンプトには出力の形・移動の上限・営業時間を書かせないことの3つを入れる
- 返ってきた案は、営業時間/移動時間/予約/移動合計の4か所だけ当たる
- 直したものはChatGPTの外に置く。同行者に見せられて、当日開きやすい場所へ
- 減らす判断だけは人がやる。 AIは足す方向にしか働かない
たたき台を10秒で作れることの価値は大きく、使わない理由はありません。そのうえで、当日に効くのは検算した4か所のほうです。
よくある質問
Q. ChatGPTの無料版でも旅程は作れますか。
作れます。ただし最新の情報を参照する機能が使えない場合、営業時間や運賃はより古くなります。この記事のとおり営業時間を書かせない前提にしておけば、無料版でも差は小さくなります。
Q. GeminiやClaudeでも同じプロンプトが使えますか。
使えます。出力の形を指定する書き方はどのAIでも効きます。返ってくる文の調子は違いますが、検算する4か所は変わりません。
Q. AIが出した営業時間が合っていることもありますよね。
あります。問題は、合っているかどうかが見ただけでは分からないことです。合っている前提で動くと、外れた1軒で予定が崩れます。 数が少ないので、公式を見たほうが早く済みます。
Q. 旅程をAIに直させることはできますか。
できます。「2日目の移動が3時間を超えているので、1か所減らして作り直してください」のように、数字で指摘すると精度が上がります。ただし減らす判断そのものは自分で決めてから渡します。
Q. 同行者にChatGPTの会話をそのまま送ってもいいですか。
共有リンクは作れますが、相手には自分の質問文も全部見えます。人数が多いほど読まれなくなるので、表だけを別の場所に移すことをおすすめします。